Cセグ投入のSUV、ルノー・カジャーは理屈ではなく右脳で選びたいクルマ
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:サトー タケシ/写真:菊池 貴之
後席や荷室の広さは充分に確保されている。後席には大人ふたりがきちんと座れる頭上空間とレッグスペースが確保されているし、荷室に備わるレバーで後席を倒してラゲッジスペースを広げる機構も使い勝手がいい。ルノーがADASと呼ぶ運転支援システムも、車線からはみ出したことを警報する仕組みや自動ブレーキ、駐車を自動ステアリング操作でサポートする機能などを一通り備えている。
そういった意味で機能面に「足りないモノはない」けれど、カジャーはそうしたスペックを注視して、「荷室80点、自動ブレーキ82点」といった具合に論理的に点数を計算して選ぶクルマではないと感じた。それよりも、「ボディカラーの赤がステキ」とか、「旅に出たくなる」とか、あるいは「コーナリングが気持ちいい」といったように、感覚で選ぶクルマだ。
現行ルーテシアが登場した時にルノーは、「サイクル・オブ・ライフ」という新しいデザイン戦略を打ち出した。これはクルマをスペックで線引きするものではなく、ユーザーの人生ステージに寄り添うようなクルマを提案するというもの。たとえばルーテシアであれば、テーマは「LOVE」。愛を育み、人生を共有する“きっかけ”の時間にふさわしいクルマというものだ。そしてカジャーのテーマは、「人生に、アクティブヴァカンスを」だ。
日常とは違う場所に出かけるのにふさわしいワクワクするデザイン、ただの移動ではなくクルマを運転するという行為を楽しませてくれる操縦性など、カジャーはヴァカンスに出たくなるようなクルマに仕上がっているというのが結論だ。ライバルとの最大の違いは、左脳ではなく右脳で選ぶクルマだというところだろう。
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